研究室訪問記

二間瀬研究室(天文学専攻・宇宙論グループ)

二間瀬 敏史(ふたませ としふみ)教授

【研究内容】
一般相対性理論、宇宙論:宇宙の構造と進化のモデルの研究。宇宙の初期。観測的宇宙論に関わる理論的研究。重力波天文学。重力レンズ。
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1953年、札幌市生まれ。京都大学理学部卒業。ウェールズ大学カーディフ校博士課程修了。現在、東北大学大学院理学研究科天文学専攻ページ、教授。1998年度フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルド賞受賞。著書に、『宇宙論 (図解雑学) 』『宇宙137億年の謎 (図解雑学) 』『よくわかる相対性理論 (図解雑学) 』(ナツメ社)、『ここまでわかった宇宙の謎』『なっとくする宇宙論』(講談社)など多数。

今回訪問したのは、天文学専攻の二間瀬研究室。二間瀬教授は、一般相対性理論、及び宇宙論の専門家として多くの先駆的な業績をあげる一方で、図解雑学シリーズなど多数の一般向け科学解説書を執筆されています。最近は理論ばかりでなく、すばる望遠鏡で「重力レンズ」の観測的研究も行っている二間瀬教授。研究から人となりまで、二間瀬研究室の今をお伝えします。


―現在行っている「重力レンズ」の観測的研究について、教えてください。

 重力レンズは、今では天文学のひとつ重要な方法になっていますが、10年前は、それほど認知はされていませんでした。今では、宇宙を見るひとつの新しい目なわけです。重力を望遠鏡として使って、宇宙を見る。普通の望遠鏡は、光でしかものを見れないわけですが、電磁波やX線でも見れない、光を出さないものが宇宙には満ち溢れていることがわかってきました。では、それをどのようにして見るかというと、そのような光を出さないものでも、質量を持っている限り、重力は働くわけですね。その重力を、直接見てやろう。重力レンズというのは、重力を通して、見れないものを見る、っちゅうことです。

 現在の宇宙は、96%くらいは見えないものでできています。我々の体や、星をつくっている原子は、宇宙のエネルギー密度の4%程度に過ぎないんですよ。つまり、氷山の一角を見ているに過ぎないんです。見えているものは、ほんのわずか。見えないものの方が、圧倒的に大きいわけです。それは普通のレンズでは見れないのですが、重力レンズでは見える。そういうものを直接検証する手段としては、重力レンズは最も有効なものなんですね。

―それほど有効な手段が、10年前に認知されていなかった理由はどこにあるのでしょうか?

 外国では認知されていたのですが、おそらく観測装置によるものもあって、あまりポピュラーではなかったのだと思います。昔は「すばる望遠鏡」のような大きな望遠鏡がなかったので、なかなかそのような観測を自前ではできませんでした。また重力レンズそのものは、もちろん知られていたのでしょうが、それを組織的にやろうという人はあまりいなかったんです。それを組織的にやり始めてみたら、おもしろかった。

―最初の想定とは異なる理論的な発展もあったと伺っていますが、特に予想外でおもしろかった展開とは、どのようなものですか?

 例えば僕自身も、10年前の重力レンズと、今やっている重力レンズは、ちょっと違ったりするんですね。重力レンズにも、強い重力レンズや弱い重力レンズなど、種類があるわけです。10年前はあまり弱い重力レンズがわからなかったのですけが、今は弱い重力レンズの方に、ちょっと移ってきています。

 強い重力レンズというのは、遠くのものと我々の間に重い天体があると、重い天体の重力で遠くのものからの光が曲げられて、2つや4つなど、複数の像になって見える現象です。一方、弱い重力レンズというのは、それ程ぎゅっとは曲げないのですが、ちょっとだけ形がゆがんでいる。昔はそんなちょっとした歪みは観測にかからないと思っていて、あまり興味がなかったのです。けれども、どうもそうじゃなくて、そういう効果の方が大事な場合もあると、認識を新たにした、っちゅう面もあるんですね。そういうことをやっているうちに、いろいろとおもしろいことが出てきたんです。

―弱い重力レンズの方が大事な場合とは、どのような場合なのですか?

 強い重力レンズというのは、重力の強いところでしか働かないのです。天体の重力が強いといっても、強い重力レンズを起こすほど強いのは、天体のごく一部なんです。天体のもっと広い範囲は、弱い重力レンズしか起こさない。ですからそういうところをちゃんとやらないと、天体の中で、見えないものがどう分布しているかはわからないですね。

 あるいは宇宙全体に、暗黒エネルギーというものがあると思っているのですけど、宇宙全体に分布しているものによる重力レンズというものもあります。それは宇宙全体に分布しているからこそ、全部足すと莫大になるわけですが、一部分では影響が小さい。だから弱い重力レンズしか、起こさないんです。そういう弱い重力レンズをいろいろ集めてきて、統計的に処理すると、見えないものが見えてくる。

 ですから、強い重力レンズをやってきた頃は、一部のことしか見てなかったわけですが、弱い重力レンズで、より広い範囲を見れるようになったわけです。例えば、天体の銀河の集団という銀河団がありますが、銀河団のなかにどういう風に見えないものが分布しているかは、弱い重力レンズを見ないとわからないのです。

―研究室の学生とは、どのような関係で研究を進めていらっしゃいますか?

 重力レンズは僕自身がやろうと思っていたテーマでしたが、学生がいないとできないテーマですね。データ解析や、実際のデータを使って応用するのは、学生の方が上手です。そもそも僕自身は物理なんで、理論的に「こういうことをやったら良い」とか「こういうことがある」とかは言えるのですが、天文学っちゅうのは、ちょっと経験科学的なものがあって、観測データをいろいろといじらないといけない。観測は実験と違って、そんなに綺麗には結果が出てきません。いろいろな気象条件があったり、いろいろ条件が変わったりするわけです。そこで、観測データをいろいろ処理する方法があるわけですが、そういう方法は、ちゃんと天文教育を受けた学生の方が、長けているわけです。僕なんかは、そういうのはわからないので、学生に助けられています。

 その学生達が今は偉くなって、いろいろなところで活躍しています。ドクター1年くらいまでは、指導教官というように上下関係がありますが、ドクター2年くらいからは、もちろん学生にもよりますが、上下関係はなく、研究者として対等ですね。研究者として、彼ら自身のアイデアも出てきますし、僕が考えたことを彼らにやってもらったりと、全く対等です。

―きっと学生さんにとっては、魅力的な場ですね。

 そういう風に、何かをやりたいっていう意志があって、自分の考えでどんどん研究を進めていく学生や、自主性がある学生にはいい場なのでしょうけどね。やっぱり継続、っちゅうのが大事なので。とにかく続けて考えていくこと、それも一日、二日じゃなくって、二年、三年というスケールで、です。その間に、いろいろやりたいという意欲だけでは何もできないので、いろいろと議論するとか、何回も何回も繰り返していくと、だんだん何かが見えてくるわけですよね。こっちの方向に進むと、そういう風にすると、できるようになるかとか。それはやはり一日、二日ではなくって、長い間いろいろ議論して、その積み重ねですよね。そういう積み重ねをしていくと、ドクター後半くらいになってから、それなりの学生だと、これをやってみたいというテーマを自分で見つけて。で、そのあと僕は、もう相談にのるだけですよね。

 僕はいつも、ちょっと考えると、そこらへんに歩いている学生を捕まえて、「どう思う?」とか議論するんです。そういうことで論文になったことも多いし。ですから、とにかく学生には、大学に出てきてください、と。議論の相手になって、聞いているだけでもいいし、意見言ってもらえればいいし。とにかく学生が議論したいときには、いつでも僕の部屋は空いているので、適当に入ってきてください。基本的には、理論だからね。実験とは違うからね。ある段階で、やっぱり独り立ちしないといけないんですよね。いつまでも指導教官と一緒では困るので、そこはやはり、ドクターの後半くらいになれば、それなりに独り立ちできるようになってほしい。独り立ちして、あっちも考えてもらえるとこっちも刺激になるし、こっちでは考えないことを考えたりするし。それはそれで、僕にとってもプラスになるしね。

 僕の実績のひとつは、ドクターをとった学生の多くが、研究職についていること。研究者としてかなりの確立、ドクターをとった学生の7割から8割が、研究者になっています。それがあの、自慢、っちゃあ自慢ですね。

―学生さんが独り立ちされると、研究室としてのアクティビティーも上がりそうですね。

 もう一人前の研究者ですからね。だいたい物理系の学問は、若い時の方がどう考えたって賢いんですよね。馬力もあるし。若い時にドクターをとるのは、スタートラインに並ぶという意味でしかありません。別にドクターをとることが最終目標ではなくって、「よーい・どん」のスタートラインに並ぶということです。並んで駆け出すところまでは指導教官がいるんだけど、あとは自分で走ってもらわないと、困りますよね。僕が若い時は、自分だけの研究をしていたわけです。けれども今は、学生を持たざるを得ない立場になりました。せっかく学生持つなら、おもしろい方がいいですし。学生にも、後悔はしてほしくありません。「あの時、勉強していればよかった」とか言って欲しくないです。せっかく、大学に入ったのだから。

―プロフィールには「京大大学院からB.F.シュッツのもとへ留学して博士号取得」とありますが、二間瀬さんが学生時代に感じていたことはどのようなことですか?

 京大大学院の教官が相対論の専門家ではなかったため、そこに所属して研究ができなかったのですが、教官の友達に相対論の専門家がいたので、留学してヨーロッパで研究をしました。ですからドクターの学生に対しても、「積極的に外国へ行ったら」と言っているのですがね。

 自分の経験からしか、なかなか言えないのですが、最終的にはどこかでポスト、定職を持つわけです。研究者としてポストを持っても、その後どうするかが問題で、ポストを持った後も、研究をちゃんと、どんどん続けていくことが理想ですよね。けれども往々にしてそうならない場合もあるわけです。ポストを取って研究しなくなったり、教育が忙しかったり。ですからポストをとる前に、いろいろな所へ行って、いろいろな人と議論して、いろいろな経験をすると、研究者として、長持ちするのですよね。引き出しが多くなる。研究者として長く研究をしていられるためには、いろいろな経験をしていた方が、もちろん良いわけです。そのひとつは、外国へ行っていろんな方法を研究すると、自然とそういうことが身につくわけです。

 もうひとつは、やっぱり僕個人で良かったなと思うのは、外国って、日本にももちろん偉い人はいますが、教科書に載っているような偉い人がいっぱいいるんです。そういう偉い人は、歳にかかわらず、難しい問題にずっと挑戦し続ける、っていう感じなんです。ヨーロッパの偉い人は、論文の数はあまり気にしないで、本当に自分のテーマを持っていて、難しいものに挑戦する。そういう姿勢があるのですね。何でもかんでも論文書く、という感じではなくて。そういう姿を見ていると、純粋に偉いな、と思うわけです。その影響は、多分あると思いますね。

―二間瀬さん自身も、目の前にある難しい問題に、ずっと挑戦し続けたいと思われている。

 そうありたいとは思っているのですけどね。なかなか多分、できないことなのですが、そういう気持ちはずっとね。これを解きたい、というのは内にあるわけです。ずっと解けない問題が。一般相対性理論が僕の専門なんですよ。相対論で解けない問題、解けていない問題というのがあります。重力レンズも、まぁまぁ一区切りというか、もちろん学生はずっとやっているのですが、僕個人としては、また違うことをやってみたいと思っています。一般相対論で、昔からある問題を、今までとはちがう方法でやってみたいなとは思っていますけどね。

―今までとは違う方法に、見通しはあるのですか?

 ひとつは、具体的には、例えば天体が運動すると、重力波というものを出します。天体が運動するとまわりの空間を揺らがして、空間に波が立つ。それを重力の波と言って、エネルギーを持ち運ぶんです。天体の運動が非常にゆっくりした場合、例えば、太陽の周りを地球がぐるぐるまわっているときは、地球の運動は光の速度に比べて充分に小さいので、そういう場合の運動から出てくる重力波は、ちゃんとした定式があって、それはもちろんわかっているのです。

 ただし天体の運動が光の速さに近づいて、非常に高速度の運動で重力波を出した時に、どういう振る舞いをするかはよくわかっていない。それに焦点をあてて、研究をしたいと思っているんですよ。一応、その足がかり的な研究は、去年くらいからしていて、もうちょっと頑張れば、なんとかなるか・ならないか、っちゅう感じですね。従来の方法とはちょっと違うやり方でやっているのですが、それができれば楽しいと思いますけど、それがどこまでできるかどうか。ある程度のことはできると思いますが、問題をちゃんと解決できるところまで、満足できるところまでできるかどうかは、今のところわかりません。けれどもやってみる価値は充分にあると思っているので、ここ何年かはやっていきたいなと思っています。あとは、入ってくる学生のやりたいテーマにあわせて、彼らのやりたいことを一緒に勉強する、ということですね。

―最後に、二間瀬さんにとって研究とは、どのような存在ですか?

 そういうことを深く考えたことがないんだよね、僕って。仕事をしている、という気もないしさ。もちろん、何かをやっているのでしょうけど。「これが解けたらいいな」とか、「これどうなっているんだろう」というものの連続、という感じですね。学生と一緒に、おもしろおかしくできたらいいなとか、それくらいのことしかないです。大学の先生になって、僕一番驚いたのが、えらい真面目な人が多いなって。適当でいいんじゃないですかね。適当ね、すべて適当です。意識して研究したということが、ないですね。

―どちらかと言うと、最近の社会の傾向として、まず目的があって、その目的に最適化して、それ以外は全部削ってしまうような風潮があるように思うのですが、二間瀬先生は、それとは間逆のスタンスを大切にされているのですね。

 そうそうそう。最近は、効率的とか、そういう風潮がありますよね。けれども教育も研究も、効率とかそういうことを考えてやるものではないですよね。教育って、人間相手のことですし。研究も、100やって1つ、10000やって1つ、当たれば良いというものなんです。研究っちゅうのは、答えがあるかどうかもわからないことをやるわけですからね。答えがわかっていることをやる、っちゅうのは、それはそれで研究なんでしょうけど、そういう研究ばかりではないわけです。答えがない、どうなるかわからないような研究という面も、研究にはあるわけです。

 そういう研究に対して、効率という言葉は正反対なわけです。いろんなことを試して、試しているうちに完全に変な方向へ行ったりするわけですね。じゃあ、そういう方向が悪いかと言えば、そういうわけではない。それが新しい展開になったりします。少なくとも僕が意識していることは、効率とか目標とか立てずに行ったほうが、成果は上がると思いますけどね、僕は。教育にしても、そんなに意識的にどうこうするという目標を立てない方がむしろ良いと、僕は思うのです。

―二間瀬さんが大切にされているスタンスと、それによって生まれる成果の関係性が、よく伝わってきました。二間瀬さん、本日はどうもありがとうございました。

■学生インタビュー

二間瀬研究室の皆さんに聞きました

松本 明子 さん(博士後期課程3年)
新田 大輔 さん(博士後期課程2年)
大倉 悠貴 さん(博士後期課程3年)

―まずは研究テーマについて、教えてください。

松本さん:
 私は、「重力レンズ効果」を研究しています。「重力レンズ効果」とは、まず観測者がいて、何かものがあって、その後ろに星があるとき、それらが一直線上にあると、その後ろの星は妨げられて見えませんね。けれども真ん中にあるものが凄く重くて、例えば太陽の重さの1000億倍くらいあったとき、後ろの星の見えないはずの光が、ぐにゅっと曲がって見えてきます。すると後ろの星はひとつだけども、2個に分かれて見えたりするという現象が「重力レンズ効果」です。この現象は、途中にある星の質量がどれくらい重いかや、星からの距離がどれくらい遠いかで見え方が変わってきます。そこで私が研究しているのは、その現象がどれくらいあるのかを数えたり、どういう形で見つかっているか、どのように分裂しているか、観測されたものがどれくらいの距離にあるのかを、統計的考えて、それに一番合致する宇宙の構造を決めるモデルとは何かを調べているんです。そうやって、宇宙はどんな重さでどういう構造をしているのかを調べています。

新田さん:
 「宇宙の背景放射」を研究しています。宇宙はビックバンからはじまったわけですが、そのときは、光すら通り抜けられないくらい、物質がごちゃごちゃになっています。けれども宇宙がある程度膨張すると、それがすかすかになって、まるで雲が晴れ上がったかのように、光がまっすぐに通れるようになります。このときの光が、「宇宙背景放射」といって、宇宙ができて大体30万年後くらいにできます。その光が今、我々に届いているので、つまりそれを観察すれば、宇宙が生まれて30万年後のものが見えるということです。かなり宇宙の初期の様子が見えるので、それを使って、「インフレーション理論」という、ビックバンの前に、宇宙が加速度的に急膨張するという現象があるのですけど、その「インフレーション理論」の名残が、「宇宙背景放射」にまるで化石のように残されているはずなので、それを三点相関関数という方法を使って研究しています。宇宙背景放射を厳密に計算することで、そこからどれくらいインフレーション起源のものがわかるかを研究しています。考古学もそうですが、自分の生きている時代ではないものが、今の情報からどれだけわかるかに、おもしろみを感じています。

大倉さん:
 私も「重力レンズ」を研究していますが、松本さんとは解析方法が異なります。重力レンズは、レンズ天体の質量分布や宇宙論パラメータを測定することはできます。ただ解析方法はまだ完璧ではなくて、色々な問題点があるので、その解析方法の改善をしているのが現状です。

―卒業後の進路先について、考えていることを教えてください。

松本さん:
 私は、天文学とは全然違う分野の研究者になります。天文学で食べていけるだけの実績を残していない、と思ったこともありますが、もうちょっと、社会と関わった仕事につきたい、というところがあります。これまでは、自分が知りたいから追求していくという部分が大きかったのですが、その成果は、何百年後かに教科書に載って、社会に還元されるかもしれないけど、わたしが生きている間は、ないかなぁと思って。そこで仕事にするなら、もうちょっと社会に関わっていく仕事につきたいと思いました。

 就職活動をする中で、金融工学に出会いました。今、サブプライム問題で、叩かれている分野ですけれども。その会社はマスターやドクターも募集していて、統計や数学をとても使うところなので、むしろ他分野の方が良いようです。そこで、これまで天文学で学んできた考え方や手法を活かして、実際の経済に適用することで、研究をしつつ社会に還元しつつということができるかな、と考えています。あとは単に、新しい分野をやってみたいという気持ちが半分くらいありますね。

新田さん:
このまま、研究者になるつもりです。研究のテーマや道筋が大体見えてきているので、それに向かってやっていこうという感じです。

大倉さん:
研究者になろうと考えています。これからの研究方法をどうすればいいのかという戦略的な視点はまだないので、目の間にある山のような仕事をやっていくうちに、いろいろ何か見えるのではないかと思って、今はやっています。

―皆さんから見て、二間瀬先生はどのような先生ですか?

松本さん:
 すごく面倒見が良くて、生徒のことを気にかけてくれる先生です。あと、すごく頭がいいなぁ、っていうのを感じます(笑)。自分の研究で煮詰まったとき、先生に相談すると、自分とは全然違う視点から、全然思いつかないようなアイデアが、いっぱい出てくるんです。先生は私の分野が専門ではないのですが、それでもたくさんのアイデアが出てくるので、そういうところで「頭いいなぁ」と感じます。
 
 基本は放任っぽい感じがするのですが(笑)、いざというときは、見てくれていて、声をかけてくれています。それが分け隔てなく、いろんな人に対してやっているので、頼れる存在です。束縛はしないけれども、ちゃんと見てくれているという感じです。他の研究室では、週一回は集まって、これやりましょうというのがあるのですが、ここではそういうのはなくて、自由な感じでやれます。

新田さん:
面白いなぁ、っていう印象です。変わっているというか、個性溢れる、そんな感じです。

大倉さん:
やりたいことをやらせてくれるのが、先生の一番の特徴ではないですかね。あと面白そうな話を持っていくと、先生は食いついてきて、ずっと議論したりします。先生という立場ではなく、一緒に議論する同じ研究者として、いい感じです。

―では最後に、二間瀬研究室を、一言で表すと?

松本さん:
「自由な環境で、個性の強い人たちが、集まる研究室」です。

新田さん:
「分野を問わずに、好きな研究ができるところ」です。

大倉さん:
「自由奔放である」。 個人的な感想としては、ここでよかったな、というのがとても強いですね。

―皆さん、どうもありがとうございました。



宮城の新聞:二間瀬敏史さん(東北大学大学院理学研究科天文学専攻ページ教授)