研究室訪問記

量子伝導物性研究室(物理学専攻)

平山 祥郎(ひらやま よしろう)教授

【研究内容】
半導体や固体の量子構造の作製とその伝導特性の評価
量子伝導物性研究室のホームページ


1955年生まれ。東北大学大学院理学研究科物理学専攻教授、工学博士。1978年東京大学工学部電子工学科卒業、1983年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。NTT基礎研究所、物性科学基礎研究所の主任研究員、主幹研究員、特別研究員、部長、グループリーダーなどを経て、2006年より現職。この間、1990 - 1991年マックス・プランク固体研究所客員研究員、2007年 - JST-ERATO核スピンエレクトロニクスプロジェクト研究代表者、2001 - 2002年北海道大学客員教授、2005年 - 2006年東北大学客員教授など。

 今回訪問したのは、2006年にNTT物性科学基礎研究所から赴任した平山教授率いる量子伝導物性研究室(物理学専攻)。「核スピン」が重要な役割を果たす新たなエレクトロニクス分野の開拓を目指す平山教授らの研究は、うまく行けば固体量子コンピュータにもつながる研究と期待され、JSTの戦略的創造研究推進事業(ERATO型研究)にも採択されています。
 「うまくいかないことの方が多いんです。けれども、うまくいかなかったときこそ、その副産物として、新しい話が出てきたり、新しい原理が見つかるんです」と研究の醍醐味を語る平山教授。実はこの「核スピン」のお話も、想定外の実験結果から生まれた副産物なのだそうです。それがなぜ成果にまで結びつくのでしょうか。研究から人となりまで、量子伝導物性研究室の「今」をお伝えします。


◆今まで誰も注目していなかった「核スピン」が表に出る新しい分野を切り開きたい

―平山教授がリアルに感じる「科学って、そもそもなんですか?」

 私は科学を、新しいものをつくることだ、と基本的には思っています。基本的には物理も、新しい原理から新しいものができて、また新しいものから新しい原理が出てくる。まるでいたちごっこのように、新しいものと新しい原理は、常に結びついています。

 本当にすごくおもしろいのは、予想外のことが出てくることですね。理論で既にわかっていることを実験的に再現しても、やっぱりつまらないわけです。そうではなくて「こういうことをやったら、ひょっとすると理論とはちょっと違う、こんな話があるかもしれないぞ」と思ってやりはじめる。

 すると大抵、狙ったようにはうまくいかないのです(笑)けれどもむしろ、そういうものが出てきたときの方が、インパクトが大きいしおもしろい。すると理論屋さんも「今までの考え方とはちょっと違う考え方が必要だな」となって、そこから新しい理論、そしてまた新しい実験が出てくる。その繰り返しが、私達の分野を発展させているわけです。

―具体的にはどのような場面で、そのようなことを感じるのですか?

 私達の研究分野は半導体の物性ですが、1950年代頃から物理の研究として始まった半導体の研究そのものが、まさにそれを代表しています。思った通りにいったり・いかなかったりを繰り返していくうちに、新しいやり方、新しい発見、新しい物理が続き、集積回路という考え方が出てきて、今はデバイスにまでなっている。

 例えば、今お使いのコンピュータの中には、半導体のデバイスがたくさん使われています。学生さんや中高生の皆さんの中には「もうコンピュータにまでなっているのだから、その中に入っている素子なんて、全部わかっているんだろう」と思っている人も多いのではないでしょうか。

 けれども実際にはそうではありません。例えば、半導体の多くはシリコンでつくられていますが、そのシリコンについて本当に物理で100%わかっているか?と言うと、まだわかっていないことがたくさんあるんですね。そのようなわかっていないことの中に、次につながる種が、まだまだたくさんあると私は思っています。そういったもののうち、私は物理寄りの研究をしているわけです。

―今の半導体デバイスで「まだわかっていないこと」とは何ですか?

 まず、今使われている半導体デバイスが、どのような原理で動いているかと言うと、電子の流れをコントロールしているんですよ。要するに、電子がいるか・いないかとか、電子が流れているか・流れていないか。基本的には、これを見ているだけなのです。

 電子がいれば「1」・電子がいなければ「0」とか、電子が流れていれば「1」・電子が流れていなければ「0」。これで「1」と「0」のロジックをつくって動かしているんですね。

 そして基本的には、電子が1個流れていても1万個流れていても、それは結局、電子1個の物理の延長線上なんです。要するに、電子1個だけを考えれば、後はそれを1万倍すれば良いという考え方。今使われているデバイスは、全部その原理で動いています。

 けれども現実には、電子はチャージを持っています。これを「クーロン相互作用」と言いますが、電子が傍に寄れば、お互いに反発するわけですね。さらに電子は「スピン」という自転の性質を持っていて、スピンとスピンは、磁石と磁石のように相互作用するんです。ところが、そのような話は、今のデバイスには全然入っていないんです。

―電子やスピンの相互作用が、実際に見えてくる場面はあるのですか?

 半導体で非常に高品質なものをつくったときや、ナノテクノロジーを使ってナノ構造をつくったりするとき、実際にそれらが特性として見えてくるんですね。

 それらを実際に見るためには、室温ではなかなか見れません。そのため、絶対零度に非常に近い低温が実現できる特別な実験装置を使って実験しなければなりませんが、そういうものが見えてくるわけです。

―「まだわかっていないこと」の中にある「次につながる種」をどのようにとらえていますか?

 そのような相互作用が、どのように起こっているのだろう?どんなときに起こって、どんなときに起こらないのだろう?このような研究はたくさんやられていて、既にわかったこともありますが、わかっていないことも、まだまだたくさんあるんですね。その中で、わかっていないことをわかるようにしたい。

 そして、それらの相互作用などを使って、今のコンピュータの素子とは違う、新しい原理で動く素子はできないだろうか?もっと大きな夢を言えば、新しい原理のコンピュータができないだろうか?それらが今、私達の研究グループでやっている研究内容ですね。

―他の研究室との違いは何ですか?

 普通は、電子と電子の相互作用までで終わっちゃうのですが、その中でも私たちの研究グループは、ちょっと特殊なんです。

 半導体でも何でも、原子からできているわけですね。原子は当然、原子核を持っているわけです。そして原子核も磁石の性質を持っていて、それを「核スピン」と呼びます。

 「核スピン」と聞くと、ちょっと怖いイメージがあるかもしれません(笑)。けれども実際にはそんなことはなくて、例えば病院で「MRI(核磁気共鳴画像法)」ってあるでしょう。あれは結局、体の中での核スピンの反応を見ているわけです。

 化学の世界では「NMR(核磁気共鳴)」がありますね。NMRは、分子構造を見る高感度な検出器として使われています。これらと同じように、半導体の原子も核スピンを持っています。

実は、核スピンと電子スピンも相互作用し、その相互作用が実験的に見える。そこで、単に電子と電子の相互作用だけを見るのではなく、電子と電子スピンと核スピン、この三つ巴の相互作用を見てやろう、ということです。

―「核スピン」も加えて研究しているグループは、まだ少ないということですか?

 工学の世界では結局、電子をまだ個々の粒子として扱っているわけですね。電子の相互作用やスピンの相互作用というのは、物理の世界の話。いろいろなところで今、最先端の原理の研究が行われているところです。

 もちろん私達はそのような研究にも興味があるのですが、さらに核スピンを加えてやっているのは、歴史的にごく最近のこと。それが話題にのぼったこと自体、2000年以降の話なのです。

 ですから、世界で核スピンを加えて研究しているグループはまだ少ない。逆に言えば、自分でそのような分野を切り開いていきたい、と思っています。だから私達は、国のプロジェクトに「核スピンエレクトロニクス」と勝手に名前を付けたわけです(笑)

 今まで誰も注目していなかった核スピンが表に出るような分野をつくってみたい。新しいものをつくるだけでなく、新しい研究分野もつくれれば、それはとても素晴らしいことだと思うのです。もしかしたら、しぼんでしまうかもしれませんが(笑)。けれども、やってみなければ、わからないわけです。

―今はどれくらいの段階まで、見通しがついているのですか?

 今はまだ、三合目くらいにいますね。五合目くらいまでは何とか見えているかな、というくらい。登り始めたけど、まだまだどうなるかわからない。本当にトップがあるのかないのかも、まだ見えていないですね。

―具体的には、どこまでわかってきたのですか?

 まず、「電子系と核スピン系の相互作用があること」は、もうクリアしました。これはうちだけでなく他のグループも含めて、間違いない事実になっています。

 次に、「それがいろいろな手段で、きちんと制御できますよ」ということも、かなりクリアになってきています。これはうちのグループが、世界でもかなり先端を走っています。

 そして、「いくつかの半導体の材料で、それができますよ」ということもわかってきた、というところですね。そのような意味で、「いろいろおもしろいことがあるぞ」「使えるぞ」ということは、わかってきました。

 まぁ、本当に役立つところまでできるかどうかは、まだわかりません。けれども、おもしろい物理はきっとあるだろうし、ひょっとすると、とんでもない新しいデバイスや新しい原理が出てくるかもしれないぞ。

 そう思ってやっているのが、私達の研究ということなのですね。


◆100万分の1ミリメートルの情報も読める超高感度NMRの開発

―これからつくっていきたい「新しいもの」は何ですか?

 今一番うまくいくかもしれないな、と思っていることのひとつは、非常に感度の高いNMRの開発です。

 NMRは普通、化学の世界でやる実験からもわかるように、チューブのようなものに試料を詰め込んで測定をするのですが、そのサイズが、ミリメートルなのです。

 ところが、私達がやっている半導体の研究では、ナノメートル(1ナノメートル=100万分の1ミリメートル)の膜や、場合によっては、厚みもナノメートル・幅も数十から数百ナノメートルという「ナノマテリアル」をたくさん扱っています。

 もちろん、代表的なナノマテリアルであるフラーレンやカーボンナノチューブでも、NMRはやられています。けれどもそれは、ミリメートル単位でそれらをたくさん集めてやったもの。一個の薄膜や一個の構造でのNMRは、これまでやられたことがありません。

―どうしてこの研究室では、ナノサイズの情報のNMRができるのですか?

 私達の技術は、電子と核スピンの相互作用を使っていますので、核スピンの情報を、電子系で読み出すことができるのです。ですから、非常に小さいところの情報も読めるんですよ。

 それが汎用でいろいろなものに使えるかというと、そうじゃないところが、普通のNMRとは違うところなのですが。ただ少なくとも、ある種の半導体については、ナノメートルサイズの情報のNMRができる、と。

―ナノサイズの情報のNMRができると、どのようなことが新しくできるようになるのですか?

 超高感度のNMR測定によって、半導体の電子スピンやいろいろな物性で、今までわかってなかったことがわかってくるわけです。そこは、かなりうまくいくんじゃないかなと思っています。ナノ構造でNMRが測れましたし、ちゃんと新しい特性が出てきましたから。

 新しい物理が出てきたり、あるいは新しいデバイスに結びつく。そういうところが出てきそうだな、ということが見えてきていますね。


◆核スピンを使った「量子コンピュータ」をつくりたい

 もうひとつは、非常に小さい構造の中で、核スピンを制御すること。核スピンを使った「量子コンピュータ」をつくりたいと思っているのです。

 私達は「コヒーレント(※)」という言葉を使っているのですが、「古典ビット」ではなく「量子ビット」として、核スピンを動かすことができるところまでは確認しました。 (※コヒーレント:波の位相がそろっているという意味)

 けれどもそこから先、どういうところで展開を開けるかは、まだ未知数という感じですね。

―そもそも「古典ビット」と「量子ビット」の違いは何ですか?

 電子の存在は、「古典的」か「量子的」で、その扱い方が違うのです。今、うちの研究室では電子スピンや核スピンの話がメインですが、私が昔、NTTの研究所で研究していた例が一番わかりやすいでしょう。

 例えば、ここにふたつ並んだ小さなナノ構造があるとします。ふたつの箱がくっついていることを、イメージしてください。そして、ここに電子が1個あります。電子1個を、このくっついた箱に放り込みました。さて、電子は右にいますか?左にいますか?

 これが古典の世界だと、電子が右にいるとき、左には絶対にいないんです。反対に、電子が左にいるときは、右には絶対いないわけですね。要するに、電子は、右か左のどちらかにいる。つまり、「0」か「1」の世界です。これが古典の世界ですね。

―「量子の世界」では、電子はどうなるのですか?

 量子力学の示すところによると、電子は粒子の性質と波の性質の両方を持っています。では、電子が波としての性質を持っている、と考えてみましょう。そしてこのふたつの箱が、波と同じ大きさか、あるいは波より小さいと考えてください。さて、電子はどうなるでしょう?

 今、右の箱に電子が入っているとします。でも電子は波の性質を持っているので、波に広がりを持っています。波の広がりは、箱の大きさよりも大きいわけですね。ですから、右の箱に入っている電子の波の広がりのすそは、左の箱にもかかっている。すると、不思議なことが起こってきます。

 電子が右の箱にいる確率が80%で、左の箱にいる確率は20%、ということが起こり得るわけです。つまり古典の世界なら、「1」か「0」でしょう。けれども量子の世界では、電子は1個しかないのに、「0.8」と「0.2」が起こり得る。それが、量子の世界なのです。

―では「量子コンピュータ」とは何ですか?

 その「0.8」と「0.2」を、「0.5」と「0.5」とか、「0.9」と「0.1」」といったように、外から自由にうまくコントロールできることが、量子の世界のコントロールで、量子制御だと思ってください。そのような性質が、きちんと保たれていることを、我々は「量子コヒーレンスが保たれている」という言い方をします。

 要するに、何パーセントが左で、何パーセントが右というように自由にコントロールして「量子ビット」をつくり、それを重ね合わせて計算するのが「量子コンピュータ」である。そういう風に思っていただけると、古典と量子の違いが、なんとなくわかってくると思うんですね。

―量子ビットの「重ね合わせ」とは、何ですか?

 先述のペアの箱をたくさん用意して、たくさん並べるわけですね。すると、一つ目の箱は「0.8」:「0.2」、二つ目の箱はA:B・・・というように、それらがお互いに相互作用をするわけです。これを「重ね合わせ」といいます。

―「量子コンピュータ」が実現すると、一体何ができるようになるのですか?

 それは非常に良い質問で、量子コンピュータで一体何ができるか?ということは、残念ながら僕の能力では対応しきれないくらい、まだわかっていないことがたくさんあります。

 私達は量子コンピュータの原理となる素子をつくろう、ということはやっているのですが、量子コンピュータで一体何ができるか?は、数学の世界に入ってしまう話なのです。それを数学の世界を中心に、研究している人はたくさんいます。けれども、まだ100%の答えは見えていません。

―では今のところ、何ができることがわかっているのですか?

 ひとつだけ言えることは、古典コンピュータでは絶対に解けない問題がいくつか解けるようになる、ということです。その一番良い例が、因数分解です。

 因数分解って、実は、今の暗号の原理なんですね。因数分解というのはおもしろくって、例えば14なら、素因数分解をすれば7と2で、簡単に暗算できます。けれども例えば、5桁や6桁の数字を因数分解しなさいとなると、ものすごく難しい問題になるわけですね。

 それを今のコンピュータが計算した場合、1桁増えるだけで計算にかかる時間は急に大きくなり、あっという間に発散してしまうんです。ですから今のスーパーコンピュータをがんがんまわしても、解けない問題になっちゃう。

 ところが反対に、因数分解した答えを知っていれば、かけ算は簡単ですね。例えば、5桁×5桁のかけ算は、もちろんちょっと大変ですが、紙で私達が計算しても、すぐに答えは出るじゃないですか。

 つまり、因数分解をする方は難しいけれど、かけ算する方は簡単。だから、答えを知っている人は簡単に解けるけど、知らなければどうしようもない。ということで、暗号に使えるわけです。

―そこに量子コンピュータが登場すると、どうなるのですか?

 少なくとも量子コンピュータが完璧に動けば、その因数分解が一桁増えても計算時間はそんなに大きくならずに済みます。つまり、エクスポーネンシャル(指数的)に計算時間が長くなるのではなくて、リニア(直線的)に計算時間が長くなるだけで、答えが出てしまう。

 だから、因数分解は少なくとも解けるようになる。他にも、いくつかの数学の問題は解けるようになることがわかっています。それですごい、と言ってくれる人もいるのですが、因数分解を解けたって解けなくったって、僕には関係ありませんよ、と言う人もいます(笑)

 結局、古典ビットって、「1」か「0」かで自由度はふたつしかないのです。けれども量子ビットでは、その間の自由度を自由にコントロールできるので、結果的に、自由度がたくさんあるんですね。その自由度をうまく全部使うことができれば、難しい問題も解けるようになる、ということです。

―では、「核スピンを使った量子コンピュータをつくりたい」とは、どういうことですか?

 さて、ここまでは、電子の電荷がどちらにいるかで話しました。ですからこれを、電荷量子ビット(チャージキュービット)と言います。

 でも実は、それだけじゃなくて、同じことがスピンに対しても言えますよね。電子スピンが、上を向いていれば「1」、下を向いていれば「0」。このように古典的な世界では、電子スピンは、上か下かしかありません。これは、磁場に対して平行か反平行か、この二つが安定な状態なので、この二つしか考えないのです。

 ところが量子状態というのは、この中間で傾いている状態です。傾いているときは、くるくるくるくる、いろいろなところをまわっているのですが、そういう状態を全部考えるわけです。これを「量子状態」と言います。

 私達の研究のひとつの目的は、さらに核スピンをうまくコントロールして、そういう量子ビットをつくってやること。ただ、こっちの方は、すごく難しくって。先ほどの「何合目」という話で言えば、先が全然見えていない状況ですけど。少しずつ、そちらの方も頑張っています。

―自由度がたくさんあればあるほど、その相互作用も考えなければならない分、逆にどんどん複雑になって、そのコントロールが難しくなりそうな気がします。

 仰るとおり、自由度がたくさんあるということは複雑になるということ。複雑だから、制御するのは大変なんですよ。とても難しいんです。

 けれども、うまく制御する方法を見つけることができれば、自由度がたくさんある方が、今までできなかった難しい問題にも対応できる。そういうことなんですね。

―そのような難しいことにもチャレンジできる前提、強みは何ですか?

 私たちのひとつの大きな売りは、ナノスケールの厚みの半導体薄膜やナノスケールの半導体構造で、高感度の核スピンコントロールができるということです。

 外から核スピンや電子スピンをうまくコントロールするために、電磁波のパルスを加えるのですが、そのパルスをうまくコントロールして制御しています。

―具体的には、どのように手を動かして研究していくのですか?

 具体的には、そのあたりの制御技術を地道に改善していくわけです。つくっては実験して、つくっては実験して、を繰り返しやっていきます。「こうやったら、こううまくいくんじゃないか」と思ってやってみると、うまくいくこともたまにありますが、うまくいかないことも多いんです。

 けれどもうまくいかなかったときに、その副産物として、新しい話が出てきたり、新しい原理が見つかったりするものなのです。そこに結構おもしろみがあるんですよ。つまり、うまくいったときにも、おもしろみがあるし、うまくいかなかったことにも、おもしろみがあるんです。


◆実は、今までお話した核スピンの話も、副産物

―では、これまでで、最も驚いた副産物とは何ですか?

 実は、今までお話した核スピンの話も、副産物なんです。最初、私達のプロジェクトでは、電荷や電子スピンをコヒーレントに制御して、半導体で量子ビットをつくろう、という研究をしていたんです。

 その研究をしているときに、純度の高い半導体からスタートして、ナノ構造をつくらないと、おもしろい特性は出てこないことがわかりました。それで、純度の高い半導体からナノ構造をつくったわけです。純度の高い半導体だと、量子ホール効果などといった効果が、きれいに見えるわけですね。

 そういう研究をしていたときに、たまたまドイツのグループによって、核スピンとその周囲の電子との相互作用があるようだ、という話が出てきました。そこで、うちの研究室でやってみると、やっぱり同じように見えるんですね。で、これはひょっとしたら、おもしろいんじゃないの?という話になりました。

―ドイツのグループとの違いは何ですか?

 ドイツのグループでは、普通の薄膜でやっただけでしたが、うちのグループでは、さらにナノ構造までやったのです。すると、そのナノ構造で、核スピンが制御できるところまで持っていけた。実はここで、予想外のことがあったんですね。

―どのような「予想外のこと」があったのですか?

 実は最初、普通に核スピンを制御して、超高感度なNMRを実現しようとしていました。そのために、どのような構造をつくったらよいか、いろいろ工夫をして、究極まで詰めていった結果、単に超高感度なNMRができただけじゃなかったんですね。

 電磁波のパルスを当てると、先ほどもお話したように、核スピンのコヒーレントな、量子的な振動がきちんと生み出せるということが、なんと、できちゃったんですね。このポイントコンタクトの話をやった人は、うちの准教授の遊佐先生なんですけど。

 要するに、最初はまさか、そこまでできるとは思っていなかったところが、一番感度の良いNMRを実現しようと思って、どういう構造をつくったらよいか究極まで詰めていった結果、核スピンをコヒーレントに制御できるというところに結びついた、それができちゃった、ってことですね。

―他にも「予想外のこと」から新しい話が出てきたことはあるのですか?

 そういう例は結構たくさんあって、最近の例では、NMR的なコントロールをやろうと思ったときのこと。

 太鼓をどんどん!と叩くとお腹に振動を感じますよね。そういう風に、ちょっと言葉は難しいかもしれませんが「表面弾性波(Surface Acoustic Wave)」というものを走らせると、音響(Acoustic)ですから、振動するんですね。

 そういう風に半導体をうまく振動させて、その振動がちょうどNMRの共鳴周波数と一致すれば、核スピンが何か変化するんじゃないか、と仮説を立てました。

 要するに、磁場の中で磁場を振動させるとNMRが起こるのですが、逆に、磁場を一定にしてサンプルを振動させても、メカニズム的には、同じことが起こるんじゃないか、と考えたわけです。

 そう思って実験を始めてみると、それらしいシグナルが出てきたんですね。それらしくなるので、狙い通りにできた!やった!と思っていたんです。けれども、何だかシグナルは出ているんだけど、出ているシグナルの周波数範囲がやけに広すぎるんですよ。

 で、おかしいなと思ったら実は、Surface Acoustic Wave(表面弾性波)でoscillation(振動)させていたつもりが、そのシグナルが、素子が少し壊れていて、と言うか、leak(漏れ)があったんですね。それが、我々が「バックゲート」と呼んでいる裏側のゲートにまわっていて、そのゲートにも振動電荷がかかっていたんです。

 それでもって、実は電子のドメイン構造が、膨らんだり・縮んだり、という周期的な振る舞いをしていて、それが核スピンをコントロールしている、っていうことが世界で初めてわかって。実はこれ、全く新しい発見なんです。

―何がどう新しいのですか?


電子のドメインが膨らんだり・縮んだりする周期的な振る舞いが核スピンをコントロールしていることを説明する平山教授

 電子は電子スピンを持っているじゃないですか。例えば、電子のドメインっていうのは、ひとつのドメインは電子のスピンが上向きになっていて、ひとつのドメインは電子のスピンが下向きになっている、そのようなドメインがあるとします。

 そこでドメインが膨らんだり・縮んだりするということは、ドメインの境界付近の電子系は、スピンがこっちになったり、あっちになったり、そっちになったりしているんですね。スピンというのは基本的に磁場ですから、そこにいる核スピンは、磁場が“そうなっているな”と感じるわけです。

 そのようなメカニズムでもって、実は、NMRが起こっていた。というのは、全くこれは予想外で(笑)。最初はSurface Acoustic Wave(表面弾性波)でやろうと思っていたら、どうも違うメカニズムで起こっているらしいとなって、新しい原理で核スピンを制御できるということが、最近の成果です。

 Surface Acoustic Wave(表面弾性波)でできても、それなりにおもしろい結果だと思うのですが、それよりも、後からわかったメカニズムの方が、もっとおもしろくって(笑)

 そういうことが常に、私達の実験研究ではついてまわるので、そこにおもしろみがある、ということ。

 逆に言うと、そこでやはり「最初期待したものとは何か違うぞ?」と気づくことが大事ですし、気づいた後に「間違っているからやめた」ではなくて「でも何かおもしろいことが起こっているぞ」と、転んでもただでは起きないところがないと、やっぱりいけないと思います。けれども、そういうところがあれば、この分野は、ものすごくいろいろな発見ができる分野です。


◆泥臭いことを厭わずにやれる物理好きが、幸運にめぐりあえる

―最後に、メッセージをお願いします

 好きこそ物の上手なれ、という言葉がありますけど、物理で、少なくとも私たちの分野の物理に、それは通用しますよ。若い人たちで「物理は好きだが、難しい理論はわからない」という人には、それはそうじゃないかもしれないよ、と言いたいですね。

 僕らのやっている実験のフィールドは、僕自身もものづくりをやってきた人なんで、正直言って、天才的なひらめきとか、そういうものではないんです。

 「量子〜」と言うと、すごく格好良いと思って来る人もいるんですが、すごく細かいことの積み重ねから、新しいものができてくるわけです。量子制御をちゃんとやろうと思ったら、ものすごく地味なものづくりから、ちゃんとひとつひとつ丁寧に組み上げていかないと駄目なんですよね。

 それに、理屈を一番わかっている人が「これをこうやったら、こうなるんじゃない」と言ったことを、そのまま再現したとしても、それは実験としては価値があるとは思うのですが、けれども私に言わせると、それはやっぱり一番おもしろい実験ではないですね。

 一番おもしろい実験とは、理論屋さんも思いつかないことが出てくる実験だと思います。ですから、そういうところを常に狙うような、そんな実験をやっぱりしたいなと思いますよね。

 そして、それは結局、狙ってできるものではないので、やっぱり「ここにきっとおもしろいことがあるかもしれないな」とか「こんなことをやったらどうなんだろう?」と労を惜しまずやる、ということの繰り返しが必要なのかな。そういう繰り返しのできる人が、幸運にめぐりあえる。私はそう思っています。

 これは特に、大学生向けのメッセージだと思うのですが、実際にものにしようとすると、それはすごく泥臭いものの積み重ねなんだよ、ということをわかってもらいたい。逆に言うと、そのような泥臭いことを厭わずにやれるというのが、それこそ物理好きだ、と私は思っています。

 それができる人は、是非この分野にいらっしゃい。別に、数学ができなくたって、そんなに気にしなくていいですよ。そりゃ全くできないと、困っちゃうと思いますけど(笑)

―平山教授、本日はありがとうございました



■学生インタビュー

平山教授率いる量子伝導物性研究室にお邪魔しました。学生の皆さんがリアルに感じていることを中心に伺うことで、研究室の「今」、大学生・大学院生の「今」を、雰囲気そのままにまるごとお伝えします。


量子伝導物性研究室(物理学専攻)の皆さん


◆新井田佳孝さん(博士課程1年)


研究中の新井田さん

―研究をしているときの原動力は何ですか?

 おもしろいからやっている、ってわけですけど。

―どのようなとき、おもしろいと感じるのですか?

 例えば、きれいなデータが取れたり、予測したデータが取れたときもおもしろいんですが、想定しないデータが出たときも、「なんだこれ?」とおもしろいですね。

―「予測しないデータが出たとき」は、これまでありますか?

 むしろ、そっちの方が多いと思います。

―具体的には何が、おもしろいのですか?

 僕が持っている試料は、けっこう特殊なもので、多分、世界でほぼないものが見えているのですけど。

―どのあたりが特殊なのですか?

 「谷分離」という現象がありまして、その分離の大きさが、これまで報告されているものに比べて、相当でかい。けっこう特殊なサンプルなんです。

―これまでのアプローチとは何が違うのですか?

 ものは基本的には一緒なのですが、つくり方が違うので、もの自体も若干違っているのではないかと考えられています。

―「谷分離が大きい」ことに、どんな意味があるのですか?

 シリコンの量子コンピュータをつくるときに、谷分離が大きくなければいけないという話があって。

―それは、量子コンピュータが実現できるかもしれない、という高揚感なのですか?

 正直、僕は量子コンピュータには興味ないです。「谷」というのは、基礎的な物性なんです。それを理解したいですね。

―では、「谷」という基礎的な物性を、なぜ知りたいのですか?

 なんでなんですかね。難しい質問ですね。やっているうちに、意義がわかってくるからですかね。

―どのような意義がわかってきたのですか?

 電子というのは普通、電荷の電荷とスピンという、ふたつの自由度があるのですが、シリコンは特別で、そこに「谷」という自由度が加わるんです。

 電子の電荷とスピンの自由度は、けっこう簡単に操作できるのですが、谷の自由度というのは、簡単には操作できません。

 でも、僕が今持っている試料なら、簡単に「谷」の大きさなどを変えることができます。これは、僕らのグループしか持っていない試料なんです。

 そのような特殊な試料を持っていると、「谷自由度」を使った他の人にはできないようなことができるのはないかとか。「谷自由度」をうまく操作できれば、他の研究者が喜ぶようなことを、自分も何かできるかなと思うので。

 「谷」が分離するメカニズムも、実はまだ良くわかっていません。そういったものを解明すると、他の研究者にも喜んでもらえるんじゃないかなと思うんです。それで何か、自分も貢献できたらうれしいな、と。

―先ほど平山教授から、自由度のお話を伺いましたが、電子の電荷と電子スピン、核スピンの自由度に加えて、「谷」の自由度というのもあるのですね。

 僕のやっている研究は、研究室のメインテーマとは、ちょっとずれているんです。だから、一人で好き勝手やってます(笑)

―「一人で好き勝手やれる」のは、楽しいですか?

 いやいや、孤独ですよ(笑)。シリコングループは、うちの研究室で二人しかいないんです。彼(大沢さん)が卒業したら、僕一人ですから。

―一人で心細くはないですか?

 心細いですが、逆に言えば、好きなことを自由にやれるので。それでうまくいけば楽しいですけど。でも、うまくいかなかったときは、ちょっとつらいですね。

―この研究室の特徴は何ですか?

 外国人が多いのが特徴だと思います。異文化コミュニケーションですかね。例えばイスラム教の人がいて、飲み会では肉が食えないとか。だから、ほとんど海鮮系ですね。

―平山教授はどのような先生ですか?

 基本的に、試料の材料などは先生が決めますけど、後は好きなことをやらしてくれますね。ここはまぁ、けっこう自由にやらせてくれますね。

―自分で好きにやれる方がおもしろいですか?

 たぶん好きにやれるところだったら、好きにやれて良いと思います。けれどもテーマをガチっと決められても、おもしろいテーマだったらおもしろいと思います。

―平山教授からいつも言われることや、感じるスタンスはありますか?

 当然メインテーマはあるのですが、ひとつのテーマだけに絞ってそれだけを見ようとする考え方ではなく、同じサンプルでもいろいろおもしろいことができるのだから視野を広くして見て、と言われています。

―最後に、中高生へメッセージをお願いします。

 研究に限らず、やりたいことをやるのが良いと思います。



大沢さん(写真左)と新井田さん(中央)、三浦さん(右)

◆大沢祐人さん(修士過程2年)


研究中の大沢さん

 中高生へのメッセージって、その質問、難しいっすね。僕も、博士になりたい人だったんですよ。でも違う方向もあるなと思った人なので、彼らに適切なコメントを残せない。

―そういったところも含めて、皆さんがリアルに感じていることが、逆にメッセージになると考えています。

 何すかね。でも、悲観的なことしか言えないですね。自分よりも明らかに研究者向きの人を見るわけです。俺違うなとか、つまらないなとか、限界を感じるとか。この人たちと勝負するのは分が悪いから、他の選択肢があるなと。暗い話になるわけです。

 でも、やりたいと思ったことをまずやって現実を知ったから、そっちの方が納得できるし、あきらめがつく。だから実は、そんなに悲観的でもないんですよ。悲観的なことを言ったけど、楽しんでやっている。限られた今ある状況の中で、どれだけ自分が学べるか、ですよね。

 俺、正直言えば、物理やっている人が一番偉いって思っていたんですよね。何でもできる人たちだって。でも実際は、そうでもねぇなって。そういう偉い感じじゃいけないな、って。

 世の中には、もっと役に立っている学問とかがあるから、まぁ偏屈にならずに、世の中に役に立つことの方が偉いっていう風に、今は思っています。

―どうして、そのような変化があったのですか?

 うちの先生はそうじゃないですけど、偉そうな先生って、いるんですよ。

 ある先生が「一般向けの科学雑誌や科学番組は、くそだ。もともと一般の人がわかるものじゃない」って、すごく断定的な言い方をしていたんです。そういう一般向けのものは、当然、噛み砕いて言っているわけだから、詳しい人から見れば、解釈の仕方とか間違っているかもしれないけど。

 でも、そういうのっておかしい、って思うじゃないですか。むしろ詳しい人こそ、自信を持って、解釈に自由度が出ようが、もっと広く伝えることが必要なはずなのに。なんで、あんなに偉そうに言うんだって、すごく疑問に感じたんです。

 それに、そういう先生が「将来何の役に立つかもわからず、お金にもならない」とヘラヘラ笑って言っているのが嫌だ。

 やっぱり金使ってやってるんだったら、世の中に還元しろよ、って思う。それは別に、成果が世の中に反映されることじゃなくても、やっていることのすごさをもっと伝えることでも良いと思う。

 それを伝えるためには、その人が「もっとその人の話を聞きたい」と思えるような人になってないと駄目じゃないですか。でも僕は、その人がそういう努力をしているようには見えなかった。

 それですごく、疑問を感じたわけです。頭でっかちだなって。科学者って、批判することだけに集中している人が多いと思いますね。負の側面だけを取り出して、ああだろうとか、こうだろうとか。

 中高生に言いたいことって、なんだろうね?科学者=批判的な目線を持つことだけじゃないんだぞ!これでしょう、けっこう良いこと言ったかな(笑)

 だから理系って、嫌われるんだ。自分もいわゆる理系の人だし、けっこう批判的だから、あまり言える立場ではないのかもしれないけど(笑)

 けれどもせっかく、いろいろなことを理解できたり解釈できる頭を持っているのに、すべてに対して批判的にならなくても良いのに。そういう人たちが、もっと前向きにいろいろなことを考えれば良いのに。そう思うんですよね。

―話の内容としては少し違うのですが、平山教授は「特に私たちの研究分野は、すごく理屈がわかっている人が成功するかというと、意外とそうではない。むしろ、人がこんなことやってもうまくいかないだろうと思うことを、丹念に信念を持って、地道に手を動かしながらやれる人が、幸運にめぐりあえる」といったようなお話をしていました。

 まさに、その通りだと思うんですよ、前向きさ。そういった点では、平山先生は相当すごいです。あまり大きな声では言えないですが、その道の専門の先生から言わせてみれば「ちょっとそれは無理がある」と言うことも「一応それもやってみようよ」と常々と口にするので、やっぱりそれはすごいなと。

 しかも、ちゃんと成果を形にして出さなければならない立場にいる人が、チャレンジングなことにをやっているのは、すごい。批判的にとれば「ま、何言ってるの。そんなことやるんだったら、もっと違うことやれ」ってなるのかもしれないですけど。前向きにとれば、そう言えると思うんです。


◆三浦智宣さん(学部4年)


研究中の三浦さん

―研究室に入って約1年ですが、率直にどのようなことを感じていますか?

 低温の実験は大変だなと思いますね。

―どんなところが大変なのですか?

 時間がかなりかかるんですよね。僕の実験では、絶対温度0.1ケルビンとか、そういった領域で測定しているので。その温度の状況をつくるのに、けっこう時間がかかって、大変な作業だなと。最低温度に下げるまでに、一日半くらいかかったりします。

―日々何をしているのですか?

 僕自身4年生なので、発展的なことはまだやっていないんですよ。基本的なことをやっているんです。他の人がもう研究していて、だいたい結論がわかっているようなことを、まずは僕自身が再現してみるという段階です。

 もちろん僕自身、大学院に入ってからは、他の人がやっていないような発展的なことをやりたいと思っていますけど、今の段階としては、基本的なことをやっているわけです。

―この研究室と他の研究室で、違いを感じることはありますか?

 この研究室には、留学生や外国人の研究者がたくさんいます。

―先ほどの先輩方と同じ意見なのですね。国際的な雰囲気はいかがですか?

 異文化交流という意味では良いと思います。

―どのようなときに「異文化」を感じますか?

 イスラム教徒の方がいるので、食事のときとか。

―それも先輩の皆さんと同じ意見ですね。

 芋煮のときも、イスラム教徒の方用に、肉無しの芋煮とかつくっていました。僕は食べなかったですが。やっぱり肉があった方が良いんで…

―平山先生に対して、どのようなことを感じていますか?

 けっこう冗談とかも言って、おもしろい方だと思います。

―最後に、中高生へメッセージをお願いします

 科学って、絶対的な答えっていうのを追及しているような部分があると思うんですね。宇宙で成り立つような普遍的な法則性とか。

 ただその一方で、現実社会では、例えば価値観とか人間にしても、常に変化している部分があると思うんですね。20年前には当たり前だと思われていることが、現在では違ってきていたり。

 なので、僕が強いて言うのであれば、既成の価値観にとらわれることなく、自分の考えっていうのを主張していっても良いのではないかと。まぁ僕自身、主張できていないですけど…

―学生の皆さんのリアルな声が聞けたと思います。本日はお忙しい中ありがとうございました。



宮城の新聞:二間瀬敏史さん(東北大学大学院理学研究科天文学専攻ページ教授)