イベントレポート

東北大学オープンキャンパス(2011年7月27〜28日)

東北大学オープンキャンパス
【日時】平成23年7月27〜28日 10:30〜16:00(両日とも)
【場所】理学総合棟、物理A棟、物理B棟、物理C棟、ニュートリノ科学センター
【案内】http://www.phys.tohoku.ac.jp/open_campus/2011/index.html


 東北大学で27、28の両日、オープンキャンパスが行われた。研究紹介や体験授業、在校生との交流などが各学部で行われ、進学を目指す高校生らが大学の雰囲気を肌で感じていた。

天文学者の“職業体験”入門企画のようす

 このうち理学部の宇宙地球物理学科では、研究者のリアルな雰囲気を肌で感じてもらおうと、天文学者の“職業体験”入門企画「君が天文学者になる3時間〜すばる望遠鏡を使って観測計画を立てよう!〜」が行われた。

 高校生ら20人が5人でチームとなり、すばる望遠鏡で観測可能な研究テーマを決め、研究を進めるために必要な「観測提案」を立てるもの。高校生らは、天文学を専攻する大学院生と議論しながら、観測天文学者の仕事や研究の進め方を体験した。

大学生と議論する高校生ら

 神奈川県から参加したサレジオ学院高校の2年生は、「まさにキャッチコピー通り、天文学者の仕事を体験できた。さらに天文学者になりたい気持ちが強まった」と話していた。

 今回の観測提案は入門企画だが、さらに観測やデータ解析、研究成果発表までの一連の研究活動を行う発展企画も用意されている。9月と10月の土日、計7日間かけて実施される予定だ。

担当した皆さん。写真中央が田中幹人さん

 担当したGCOE助教の田中幹人さんは、「天文研究を進めるためには、学力だけでなく、自分の考えを発信する力やチームで協働する力、決められた時間内に最大限の結果を出すことが求められる。天文学者の職業体験を通じて、それに早い段階で気づいてもらえば」と話している。



◆そもそも理学って何だろう 全学科を手軽に見学できるツアー

 今年度で開講100周年を迎える理学部。そもそも理学って何だろう。それぞれの学科では、どんな研究が行われているのだろう。そこでおすすめが、理学部キャンパスツアーだ。在学生の引率により、全学科を1時間半程度で見学することができる。

 数学科では、研究資料室を公開。ニュートンの「プリンキピア」(1822年版)の原本や、江戸初期の和算家・吉田光由によって書かれた日本で最初の算術書「塵却記(じんこうき)」など、歴史的に貴重な書物が紹介された。

歴史的に貴重な書物について説明を受ける参加者ら

ニュートンの「プリンキピア」(1822年版)の原本


 宇宙地球物理学科では、「宇宙と地球の謎にせまろう」をテーマに、天文学コースと地球物理コースの各研究室紹介があった。「重力レンズプリクラを撮ろう」や「人工オーロラ発生装置展示」などの実演もあった。

天文学コースの「重力レンズプリクラを撮ろう」

地球物理コースの「人工オーロラ発生装置展示」


 化学科では、「最先端機器で分かる分子の形」をテーマに、巨大分子解析研究センターが公開された。核磁気共鳴装置や質量分析装置などが紹介され、解析研究の目的は未知加工物の構造決定であることなどが説明された。

核磁気共鳴装置について在校生から説明を受ける参加者ら

核磁気共鳴装置


 生物学科では、生物実習室が解放され、参加者らは各研究室から持ち寄られた生物や機器などに直に触れながら、研究内容の紹介を受けていた。

各研究室から持ち寄られた生物や機器などに直に触れる参加者ら

様々な実験材料や実験機器が展示された。写真は「ハエトリソウ」


 物理学科では、「目で見る素粒子・原子核の実験」をテーマに、目に見えない原子核や素粒子を測定するための方法が、霧箱などの実演を交えながら紹介された。

研究内容や研究室について説明があった

霧箱実験のようす


 地球科学系では、自然史標本館が解放され、「大絶滅のなぞを解け!」「三葉虫は、古生代の悪夢をいまも見るのか?」などの公開実験が行われた。

自然史標本館を見学する参加者ら

研究内容について説明を受ける参加者


 新潟県から参加した新潟高校の2年生は「これまで何のために試験問題を解くのか疑問に思っていたが、研究内容の紹介を通して、学んだことの活かし方を具体的に見ることができた。勉強に対するモチベーションが変わった」と話していた。


◆東北大学理学部オープンキャンパス2011 フォトギャラリー

「放射線の測り方‐土の中のセシウムは?‐」実験核物理・原子核理論

「オープンキャンパス for 女子高校生」理工農サイエンスエンジェル


「光のふしぎ」光物性物理

「モノの性質を物理学で理解する」物性理論


「極低温の世界」極低温量子物理

「ナノ固体物理って何だ?」ナノ固体物理


「水の不思議を考えよう」低次元量子物理

「材料科学の世界拠点WPI-AIMRとは?」WPI


東北日本の震源分布の三次元表示

地球物理学コース固体地球系


物理サイエンスカフェ「宇宙の不思議」高橋史宜

「学生および教員との懇談」地球物理学コース




東北大学オープンキャンパス 天文学者の職業体験入門企画も